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目が覚めると、そこはベッドの上だった。ぼくは、大勢の人に囲まれていた。
ハリーにロンにハーマイオニー、アリスにユーク、シリウスにリーマスにピーター、ライ先輩だって。ぼくの右手を握っていたのは、アクアだった。
「……アキ、なの?」
アクアが揺れる瞳で呟く。ぼくはゆっくりと、頷いた。
「……アキっ!」
アクアが、ハリーが、皆がぼくを抱き締めてくれる。あぁ、ぼくはこんなにも、沢山の人達に囲まれている。
胸に空いた空虚を感じた。
ずっと一緒に生きてきた秋は、もうここにはいないのだ。それを、噛み締める。
「……っ、う……」
ぼくは、ここにいてもいいのだ。
やっと、世界に存在を認められた。
そんな気分で、天を仰いだ。
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