破綻論理。

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空の記憶

「ぼくがいらない世界」-1First posted : 2016.04.25
Last update : 2022.11.06

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「──っ、ふざけんなよ……っ!」

 激昂した表情でこちらに近付いて来た幣原は、ふとその場に崩れた。慌てて手を貸すと、目を開けた彼はにっこりと笑った。

「ありがとう――教授」

 あぁ、これは。
 これは、アキ・ポッターだ。

 立ち上がったアキは、机へと歩み寄ると一冊の本と一枚の紙を取り出した。机の上にその紙を広げる。
 紙に描かれているのは、魔法陣のようだった。使われているインクは、赤い。

 猛烈に、嫌な予感がした。

「……壮大な自殺をしてあげる」

 セブルスが声を上げるよりも、アキがその魔法陣に右手を押し付ける方が早かった。
 瞬間、青白く発光する魔法陣が、アキの周囲三メートルほどに広がる。結界により、セブルスは近付けない。

 青白い光に照らされたアキは、恍惚とした表情で口を開いた。

「手伝って、リドル」



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