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「──っ、ふざけんなよ……っ!」
激昂した表情でこちらに近付いて来た幣原秋は、ふとその場に崩れた。慌てて手を貸すと、目を開けた彼はにっこりと笑った。
「ありがとう――教授」
あぁ、これは。
これは、アキ・ポッターだ。
立ち上がったアキは、机へと歩み寄ると一冊の本と一枚の紙を取り出した。机の上にその紙を広げる。
紙に描かれているのは、魔法陣のようだった。使われているインクは、赤い。
猛烈に、嫌な予感がした。
「……壮大な自殺をしてあげる」
セブルスが声を上げるよりも、アキがその魔法陣に右手を押し付ける方が早かった。
瞬間、青白く発光する魔法陣が、アキの周囲三メートルほどに広がる。結界により、セブルスは近付けない。
青白い光に照らされたアキは、恍惚とした表情で口を開いた。
「手伝って、リドル」
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