不穏な雰囲気は拭われないものの、それでも『魔法魔術大会』はつつがなく進行していた。ぼくやリィフ、ジェームズ、シリウスも危なげなく二回戦を突破し、三回戦へと駒を進めていた。
三回戦では、なんとリィフとシリウスの決闘が見られるのだ。どっちが勝つのか予想も出来ない。
「……ん? あれは……」
ふと気が付いて、ぼくは少し背伸びをした。
あそこで一人廊下を歩いているのは、あの横顔は、我が友人シリウス・ブラックではないか?
「おーいっ、シリウスー!」
伸び上がって手を振るも、シリウスはトンと気付いた様子もなく、変わらぬ無表情で歩みを進めている。
ぼくは思わずムッとした。なんだよ、ぼくがシリウスに気付かなかったら、ぼくの言い訳も無視してヘッドロックかましてくる癖に、自分は平然とシカトですか。
「シリウス!」
駆け寄って後ろから飛びついてやる。振り返ったシリウスに満面の笑みを浮かべてみせると、シリウスは戸惑ったように「……えっと」と声を漏らした。
……ん? 近くで見ると、何だか普段のシリウスとは雰囲気が違うような……シリウスはこう、ボタンをきっちり留めることもネクタイをしっかり締めることもあんまりしないような……、って。
シリウス、じゃない。彼の首元に締められたネクタイは緑と銀色──スリザリン生のものだ。間違っても、赤と金のグリフィンドールのものじゃない。
──間違えた!
ぼくはそろそろと後ずさった。
ぼくよりも十センチかそこら高いけれども、シリウスよりは少し小柄なようだ。シリウスによく似た顔立ちをしていて……つまりは彼も、ずば抜けたイケメンなのである。
「ご、ごめんなさい! 知り合いと凄く似ていたから、思わず間違えちゃって……」
「……兄と間違えられたのは久しぶりです」
「兄? ……シリウスが?」
はい、と目の前の少年は頷く。表情は先程見せた驚きのものから、既に無表情へと戻っている。
スリザリンには表情豊かな奴はいないのだろうか。……少なくともぼくの知り合いには見当たらないな。というかスリザリン所属の知り合いなんて、ぼくにとってはセブルスくらいなものだし。
「レギュラス・ブラック。それが僕の名前です」
「レギュラス……」
なるほど、レギュラス──レグルス、ね。
一等星の中でも一番明るい星のシリウスに、一等星の中で一番暗い星のレグルス。対比になっているのか。ブラック家では子供に星の名前をつけるのが慣わしなのかな? 流石ブラック、闇夜に輝く一等星、ってか。
「僕は名乗りましたけど、貴方は?」
「あっ……ぼくは幣原秋──えっと、君のお兄さんの友人です……」
「……兄の友人」
「うぅっ」
……何故だろう。口調は全然きつくないのに、視線が何と言うか──追い詰められてる気分になる。
「ご、ごめんなさい……」
「どうして謝るんですか?」
「ど、どうしてって……」
そう返されると弱い。
「……はぁ。ま、いいです。兄によろしくお願いします」
レギュラスは冷たく言い捨て、ぼくに背を向ける。
普段のぼくならそのまま黙って見送ったのだろうが、思わず心に浮かんだ疑問がそのまま口から零れ出た。
「お兄さんと仲が悪いのかい?」
言った瞬間慌てて口元を押さえるも、言ってしまった事実は変わらない。
ピタリと足を止めたレギュラスは、もう一度ぼくに向き直った。
「別に仲が悪い訳ではありません。兄が、僕を嫌いなんです」
「……そう、かな?」
「そうですよ。……大体、兄の友人である貴方にも、僕の存在は話したことがなかったんでしょう? それは、兄が僕のことを嫌っているからです。兄は自分の家が嫌いなんです。憎んでると言ってもいい。僕の存在ごと、憎んでいるに違いないんです」
「……家が嫌い?」
ぼくの言葉に、レギュラスはハッとした顔で目を瞬かせた。
「……もしかして貴方は、何も知らないんですか?」
「何を?」
「それは……」
一瞬、レギュラスは視線を彷徨わせる。ぼくは軽く首を傾げ口を開いた。
「君達の家の事情なら、ぼくは何も知らないよ。知らないことだらけだ。ぼくが知ってることなんて、この世界のほんの上っ面だけだ。そのくらいよく分かってるさ。そしてぼくには、人の秘密をむやみやたらと暴く趣味はない。隠したいと思っていることを、聞いて欲しくないと思っていることを、わざわざ聞こうとは思わない」
「…………」
「君はぼくに、自分の家の事情を知って欲しいと思っているの? 聞いて欲しいと思っているの?」
「……っ!」
かぁっ、とレギュラスの頬が赤くなる。バカにされたと感じたようだ。
「……では、貴方に教えて差し上げましょう。何も知らない貴方に手向けの花です」
そう言って、レギュラスはぼくの手首をおもむろに掴んだ。そのまま連れ去るように引っ張って行く。
「えっ!? ちょ、な、何!?」
「何、じゃないでしょう。あなたが知りたいと思っていること、疑問に思っていることを教えてあげようと言うんです。感謝してください」
「そ、それは! というか、どこに連れて行く気だい君は!」
決まっているでしょう、と、レギュラスは目を細めてぼくを睨みつけた。
「スリザリン寮です」
◇ ◆ ◇
ホグワーツ特急を降りた後、ぼくらは馬車にそれぞれ分かれて乗り込んだ。
ハリーのことが心配だったが、リーマ……ルーピン先生がにっこり笑顔で「一緒に乗ろうか、アキ」と言うものだから断れっこない。
他に誰も先生と相乗りしたいという酔狂な奴はおらず、仕方なくぼくは広々とした席に所在なく腰掛けた。
恐る恐るルーピン先生の方を盗み見る。先生は窓の外の景色を興味深そうに眺めていた。
その時ふと、ルーピン先生の手の甲に引っ掻き傷があるのに気が付いた。真新しい傷のようで、見るからに痛々しい。
……そう言えば、リーマスも常に生傷が絶えない奴だった。
「僕っておっちょこちょいで、すぐ転んだりいろんなとこぶつけたりしちゃうんだよね」なんてよく笑っていたっけ。でもすぐ転んだりいろんなところをぶつけたりするのは、リーマスよりピーターの方が多かったように思うけど。
「アキ、学校生活は楽しいかい?」
ルーピン先生はおもむろに尋ねた。ハッと我に返ったぼくは、慌てて居住まいを正すと「た、楽しいです」と頷く。
ルーピン先生は、そんなぼくの反応にクスクスと笑った。
「そんなに構えなくていい。私のことは、そうだね、リーマス先生って呼んでくれて構わないよ。今年新しく、闇の魔術に対する防衛術の教員の任を頂いたんだ。リーマス・ジョン・ルーピン、それが私の名前だよ」
──その名前は、よく知っている。
「……はい、リーマス先生。……一つ、聞いてもいいですか?」
その……リーマス、先生、は、穏やかな表情で「何?」と首を傾げた。ぼくは勇気を出して口を開く。
「さっき、コンパートメントで……『久しぶり』って言いましたよね……ぼく、先生とどこかでお会いしましたか?」
「あぁ、ごめんね。そのことか。私がよく知る人に、君がとても似ていたものだからね。思わずそう声を掛けてしまったんだ」
軽く言われて拍子抜けした。……え、じゃあさっきのはただ、ぼくが幣原秋に似てたから? 何のことだろうと悶々としていたのは無駄だったのか?
「それに、どうしてぼくの名前を……」
「君は、自分が思っているよりも有名なことを知った方がいいと思うよ」
そ……それだけぇ?
釈然としないものを抱えながらも、ぼくは「はぁ」と頷いたのだった。
馬車がホグワーツに到着した後、リーマス……先生、と分かれたぼくはハリー達と合流した。ホグワーツの門扉の前にも
予想通りハリーは具合が悪そうな顔をしていたので、ぼくは精神を安らげる魔法をこっそりハリーに掛けておく。
ぼくらは生徒の流れに従い大広間へと向かったものの、途中でぼくとハリー、それにハーマイオニーは、何故か変身術教授兼グリフィンドール寮監であるマクゴナガル先生に呼び出された。
「なんだい、僕だけ放っておかれるんですか」
「ごめんってロン。でも一体何の用だろう?」
膨れるロンを宥め、ぼくらはマクゴナガル先生の後を追っていく。
しかし、まだハリーとハーマイオニーは分かる……いや分からないけれど、グリフィンドールという繋がりはある。
……でも、マクゴナガル先生はぼくに何の用があるんだろう?
やがてぼくらはマクゴナガル先生の研究室へと辿り着いた。マクゴナガル先生はぼくらに座るように合図した後、挨拶もそこそこに切り出す。
「ルーピン先生が前もってふくろう便をくださいました。ポッター、汽車の中で気分が悪くなったそうですね」
この場合の『ポッター』は基本的にぼくじゃなく、兄の方を指すのだということは経験的によく分かっている。
ぼくはそのままふかふかのソファーに深く身を預け、ハリーとマクゴナガル先生+マダム・ポンフリーの攻防を黙って聞いていた。
ハリーの体調に問題ないことを確認した二人は、ホッとした表情でハリーに告げる。
「いいでしょう。ミス・グレンジャーとミスター・アキ・ポッターと時間割の話をする間、外で待っていらっしゃい。それから一緒に宴会に参りましょう」
え、とぼくはマクゴナガル先生を見上げた。ぼくの選択科目は占い学と古代ルーン文字学だった筈ですが、一体何の問題が?
ハリーとマダム・ポンフリーが共に廊下に出て行くのと入れ替わりに、我がレイブンクロー寮監であり呪文学教授のフリットウィック先生がせかせかと駆け足でやって来た。
フリットウィック先生はにっこりと満面の笑みを浮かべ「久しぶりですね、いい夏休みでしたか?」と尋ねる。ぼくとハーマイオニーは揃って「ええ」と頷いた。
「さて、ミスター・アキ・ポッター、あなたを呼んだのは他でもありません。あなたに、ミス・グレンジャーと一緒に全ての授業を受けて欲しいのです」
「えぇっ!?」
思わずぼくは声を上げた。そんな、教科書とか他に買ってないのに。
そんなぼくの言葉を見通したように、マクゴナガル先生は「憂慮することはありません」とキビキビと言った。
「予備の教科書を貸し出します。試験等の基準も緩めましょう──ミス・グレンジャーとミスター・アキ・ポッターに、こちらを貸し与えます」
そう言ってマクゴナガル先生が傍らの小さな箱から取り出したのは、金色の砂時計だった。細く長い鎖が付いている。
「これは
逆転時計。時間を巻き戻す時計、ってことか。思わず胸が高鳴った。
マクゴナガル先生が続ける。
「貸し出すにあたり、四つ、条件があります。
第一に、勉強以外には絶対にこれを使わないこと。
第二に、誰にもこの逆転時計の存在は言わないこと。
第三に、一人で扱わないこと。二人以上で用いるという制限の元で取り寄せたのです。賢いあなた方には、時間を操るということがどんな意味を持つのか、説明せずとも分かるでしょう。
そして第四に、五時間以上前には遡らないこと。五時間以上遡ることは法律で禁じられていますからね。関わった魔法使いや魔女にどんな被害をもたらしたのか……あなた方二人ならば、ミンタンブル女史を思い出せ、の一言で全て納得していただけますよね?」
ミンタンブル女史──一八九九年、逆転時計で過去に遡ったエロイーズ・ミンタンブルが一四〇二年に五日間足止めされた、あの事故のことか。
現代に戻ってきたミンタンブル女史の肉体は一気に五世紀分も歳を取り、間もなく彼女は死亡した。被害はそれだけに留まらず、彼女が出会った全ての人々の人生が乱れ、二十五人もの子孫が『生まれてない』ことになり、現在から姿を消したという。
また、時の法則をあまりにも大きく侵害したことにより時間そのものに乱れが生じ、彼女が再び姿を現した翌日の火曜日は二日半も続き、一方木曜日は四時間で過ぎ去ったという話である。
時間を操るということ。それはつまり、同時刻に同じ人間が二人存在するという矛盾が生じることになる。
思わず身構えた。ハーマイオニーも同様に緊張した面持ちだ。
そんなぼくらにフリットウィック先生は優しく笑いかけ「何、君達ならば使いこなせると思ってのことです、そう緊張せずともよろしい」と言った。
「使い方を誤らない限り、この道具はとても便利なものです。どうか有意義に使いなさい」
そう言って、マクゴナガル先生はハーマイオニーの首に、そっと逆転時計を掛けたのだった。
「アキ、お前、今までどこに行ってたんだ? 組み分けはもう終わっちまったぞ」
「うん、ちょっと突然お腹が痛くなっちゃって。昨日毛布なしで寝ちゃったのがまずかったのかもしれないね。ところでいい夏休みは過ごせた?」
「俺の定義する『いい夏休み』に親父の要素は存在しない」
「はいはい、ハッピーバースデー」
八月二十五日に誕生日を迎えたアリスに祝福の言葉を投げかけたところ、何故かおもむろに頬を
リィフと二人で誕生日ケーキを囲むアリスを想像すると、ちょっと腹が捩れる心地になるな。ぼくからもプレゼントとメッセージカードを贈ったのだが、ものの一時間も経たないうちに『吼えメール』で「プレゼントじゃなくてお前が来い今すぐ来い」とメッセージが送られてきたのだ。嫌だなぁ、ぼくが親子団欒の邪魔なんてする訳ないじゃないか。
ぼくらが大広間に戻った頃には、既に組分けの儀は終わっていた。アリスに適当な返事を返し、ぼくはそそくさとアリスの隣に腰掛ける。
ちょうどその時ダンブルドアが立ち上がった。ざわめきに満ちていた大広間が一斉に静まり返る。
……凄いなぁ。ぼくが小学校の頃の校長先生にも見習って欲しいものだ。あの野郎、ぼくとハリーが問題ばかり起こすからって目の敵にしやがって、ダドリー軍団には甘かった癖に……おっと、嫌なことを思い出してしまった。
「新学期おめでとう! 皆にいくつかお知らせがある。一つはとても深刻な問題じゃから、皆がご馳走でボーッとなる前に片付けてしまう方がよかろうの。ホグワーツ特急での捜査があったから、皆も知っての通り、我が校は只今アズカバンの吸魂鬼、つまりディメンター達を受け入れておる。魔法省の御用でここに来ておるのじゃ。
最後にダンブルドアが付け加えた言葉に、ハリー達はきっと目配せをしていることだろう。全く、ダンブルドアって人は。
「言い訳やお願いを聞いてもらおうとしても、
……危害、か。確かに危害ではある。そもそもアズカバンの看守をホグワーツに放つだなんて、アズカバンの
「楽しい話に移ろうかの。嬉しいことに、今学期から新任の先生を二人お迎えすることになった。まずルーピン先生。ありがたいことに、空席になっている『闇の魔術に対する防衛術』の担当をお引き受けくださった」
パラパラと寒々しい拍手が起こる。去年ロックハートにあれだけうんざりさせられたものだから、今年もまたあんなヤツじゃないだろうなという警戒心の方が強いのだろう。
ぼくも頑張って拍手を送ったものの、それよりもスネイプ教授が凄まじい表情でリーマス……先生、を睨んでいるのに気付き、思わず唇を噛んだ。
これは……うん。隠す気すらもないのか、教授。
ダンブルドアは続けた。
「もう一人の新任の先生についてじゃ。ケトルバーン先生は『魔法生物飼育学』の先生じゃったが、残念ながら前年度末をもって退職なさることになった。手足が一本でも残っているうちに余生を楽しまれたいとのことじゃ。そこで後任じゃが、嬉しいことに、他ならぬルビウス・ハグリッドが、現職の森番役に加えて教鞭を取ってくださることになった」
ざわざわっと驚きのざわめきが巻き起こる。同時に素晴らしいまでの拍手も。
それはまるで、ハグリッドが今まで大勢の生徒に慕われてきた証のようだった。教職員席のハグリッドは真っ赤な顔で、とても嬉しそうに笑っていた。
「さて、これで大切な話はみな終わった。さあ、宴じゃ!」
ダンブルドアの合図で一斉にご馳走が『出現』した。その光景の素晴らしさは筆舌に尽くし難い。皆も身を乗り出しては、自分の皿に料理を山盛りにしようと我先にと奪い合う。
ぼくも手を伸ばした時のことだった。
「アリス・フィスナー!」
この夏休みに何度か聞いた声だ。幼く高いボーイソプラノ。
何故か身の危険を感じて、慌ててその場から飛びのいた。
「ッチィ!」
ぼくにタックルをかまそうとした小柄な少年は、ぼくに躱されて大きく舌打ちをする。予想通りの彼の姿に、ぼくは思わず頭を押さえた。
「ユーク……そうか、今年ホグワーツ入学って言ってたっけか……」
「あなたに用事はありません、アキ!」
「何言ってんだ、君からタックル仕掛けてきたんだろうが……」
全く、やれやれだ。
と、アリスがユークの首根っこを掴んだ。そのままぼくと反対側の隣に座らせる。
ユークの頭をガシッと鷲掴みにしたアリスは「食事中だ、ちっとばかし大人しくしてろ。……後で話がある」と低い声を出した。そんな手荒な扱いにも、ユークは何故か満足そうだ。
「というかユーク、君はスリザリンなんじゃないのかい? アクアやドラコのところにいないと、二人とも心配するんじゃないの?」
「……あー、お前は組み分けを見てなかったんだよな。見てたらあのざわめきは印象に残るだろ。まさかこんなことが……それに危うく『組み分け困難者』になるとこだったんだからな……」
アリスは目頭を押さえては、大きくため息をついている。こんなこと、とは? とぼくはきょとんと首を傾げた。
すると、ユークがアリスの影からぼくの方に身を乗り出した。生意気そうに眉を寄せ、大きな瞳でぼくを見つめては誇らしげに告げる。
「ユークレース・ベルフェゴールはレイブンクローに組み分けされたんですよ! アリス・フィスナーと同寮です! 帽子と戦った結果、僕の勝利です!」
ぽかんとぼくは口を開けた。アリスが苦い顔をしつつユークにアイアンクローを掛ける。
「うわっ、痛い痛い痛い痛いですアリスっ! どうしてそんなに怒ってるんですかぁ!」とユークが叫び声を上げるのもお構いなしだ。
「全く、お前ら、姉弟は、どれだけ俺に、迷惑を掛ければ、気が済むんだぁ! あのどうしようもねぇお前の姉貴だって何とかスリザリンに組み分けされたってのに、よりにもよってお前が、お前が……!」
「痛い痛い痛いっ、ごめんなさいっ! ごめんなさいアリス!」
「マルフォイが思わず立ち上がって『もう一回組み分けし直してくれ!』と叫んだレベルだぞ分かってんのかお前きっちり反省しやがれこの向こう見ずっ!」
「ま、まぁまぁアリス、組み分けは二度はできないんだ……終わってしまったことはもう仕方ない、そうだろう?」
「アキ・ポッター! 初めていいこと言ってくれましたね痛いっ!」
「うん、ユーク。いい加減ぼくも怒るぞ?」
ぼくは思いっきりため息をついた。
こりゃ……騒がしくなりそうだ。いろいろと、さ。
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