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「……決まったの?」
幣原秋は、静かな瞳をセブルス・スネイプへと向けた。
穏やかな漆黒は、凪いでいる。内心は、読み取れない瞳だった。
「あぁ、決まった」
本当にこの選択で良いのか。後悔はしないか。何度も胸中で繰り返した問いかけだ。
そのたびに迷い、惑い、悩み──苦しみながらも、心の内を決めた。
「苦しい役目を押し付けて、ごめんね」
「あぁ──全くだ」
どちらも、言葉を多くは重ねない。
静かな部屋の中、セブルスは口を開いた。
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